NTT IOWN構想 失敗しないと思う理由
NTTのIOWN構想
NTTのIOWN構想とは?
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。2024年の仕様確定、2030年の実現をめざして、研究開発を始めています。
NTTの研究開発ページを引用
NTTのIOWN構想によるメリット
具体的な適用例
遠隔医療
大容量、低遅延かつ遅延ゆらぎのない通信により、複雑な手術を遠隔で実現。
医師が移動する必要がなくなり、より多くの患者の手術ができるはずです。
また様々な情報を送れる事により、感覚に近いものまで情報化して伝えれる可能性もあります。
イメージとしてはPS5のDualSenseの触覚機能。
これが出来る様になると多くの医師のトレーニングにも使える可能性がでます。
トップレベルの医師が行った映像と操作用器具を連動して追体験できるイメージ。
下記のスマートファクトリーの説明からしても実現可能だと思います。
スマートファクトリー
遅延やゆらぎが極小化。遠隔でも人間の感触に近い精密な作業が可能に。
医師と同様に、後継を育てるのに役立ちそうです。
eスポーツ
僅かな遅延が勝敗に影響するeスポーツにおいても、遠隔会場間で公平な対戦を実現。
IOWN構想前の既存の技術だと、遅延がありオンラインでじゃんけんは出来ないのです。
ゲーム機のハードによる差とそもそもの通信の問題。
それがゲームでのクロスプレイを難しくしていました。
クロスプレイ出来る既存のゲームは結構凄い事をしているのが分かります。
トッププレイヤーが遅延を感じる境界線は16.7ミリ秒。
NTT調べの情報ですが、遅延を感じさせない範囲に抑えられています。
データセンター間接続
データセンターをAPNで接続することで、機能分散が可能。可用性が向上。
地域の中小データセンターの活用による再生可能エネルギー利用促進。
NTTのIOWN構想 失敗しないと思う理由
世界のデータセンターの電力消費量は急拡大していく予想
今後通信する量と商品電力は増加していく事が予想されています。
データ量は2025年の時点で2010年時の90倍。
消費電力の増加は2050年に2025年の約2.3倍になる事が予想。
これらにより技術の発展目的だけでなく、必要に迫られている事が分かります。
二酸化炭素を減らしていく必要もある為、火力発電などを安易に増やす事も出来ません。
フュージョンエネルギーもありますが、まだ商用化されているわけではありません。
フュージョンエネルギーを知る為の記事はこちらから。
確実な方法として、省電力化と二酸化炭素を排出しない仕組みづくりは必要なのです。
勿論、必ずしもIOWN構想が覇権を握るかは分かりません。
現状でみると、NTTのIOWN構想が実現可能性が高いです。
この規模の構想を他で発表していれば、ニュースで取り上げられているはず。
現状を大きく良い方向に変えそうなのはNTTのIOWN構想。
この構想があがってくると思います。それ程に大きなITインフラの進歩。
IOWN構想 主な参画企業
創設メンバーは、intel、NTT、SONY。
一般メンバーや大学の機関も入れると、100社以上も参画しています。
スポンサーメンバー
IOWN構想 | スポンサーメンバー |
accenture | AKKODiS |
中華電信 | ciena |
cisco | DELL |
Deloitte | DELTA |
ERICSSON | FUJITSU |
FURUKAWA ELECTRIC | HAKUHODO |
KDDI | KIOXIA |
Microsoft | MITSUBISHI ELECTRIC |
MIZUHO | MUFG |
NEC | NICT |
NOKIA | ORACLE |
orange | PWC |
Rakuten Mobile | RedHat |
SAMSUNG | SKハイニックス |
SK telecom | SUMITOMO ELECTRIC |
TOYOTA | vmware |
2030年までのIOWN展開計画の発表
※1(ボード間やボードと外部インターフェース間の接続に光を利用が可能に)
ネットワークだけでなくコンピューティングにおける光の利用が可能になります。
NTT IOWNの目標性能
既にIOWN1.0のサービスが開始されており、低遅延は実現されています。
それが三菱電機との協業で成果としてでているのです。
遠隔ロボット操作、遠隔医療など目に見える形で新しい技術が発展をとげています。
最終的な性能目標
電力効率APN部分 従来からIOWN4.0時に100倍
電力効率サーバー部分 従来からIOWN4.0時に100倍
大容量化 従来からIOWN4.0時に125倍
低遅延 従来から1/200
大企業の参画に伴い、必要機器も大量生産が予想される。
NTTのIOWN構想に否定的な記事も閲覧しました。
必要な機器が高額になる予想をしており、否定的な意見が述べられていました。
現段階ではその考えも一理あるかもしれません。
大企業の参画により、必要機器が安価になっていく理由
NTTのIOWN構想で得られるメリットは、企業側にとって大きいのです。
AIの利用で今後大きく技術が発展していきます。しかし、それに伴い電力の消費は増えていきます。
技術革新を進めていくうえで、大容量化と電力効率化は必須なのです。
速さと低遅延で影響を受けるのはIT関係、ゲーム、遠隔医療、自動運転。
技術の共有や企業の協業もしやすくなります。これによっても技術は発展していく事が予想できます。
ゲームではクロスプレイの実装がしやすくなります。
ゲームの技術の発展により、拡張現実などの技術が影響を受ける可能性も。
今まで不可能だった事が可能になり、交通事故を減らす事も出来るかもしれません。
IOWN構想が段階的に実現していく事で、参画企業の増加に伴いスポンサーメンバーも増えていくでしょう。
これらにより、それぞれの企業は自社の利益の追求の為にうごくはず。
IOWNが実現した時のメリットと今後の需要をみれば、必要な機器は大量生産する事が予想出来るのです。
現時点で価格が高いものも大量生産の需要さえあれば、安価での生産が可能になります。
IOWN構想により実現される未来
ロードマップに従い、データセントリックコンピューティング技術、ディスアグリゲーテッドコンピューティング技術などをIOWN構想に取り込んでいくことにより、Smart World時代のナチュラルなサイバー空間の創造を加速していきます。
たとえば、大容量データを低遅延に伝達しながらAI制御を行うことにより、ヒトの知覚能力、反射能力を超越したシステム制御を実現します。また、多数のAIシステムの協調により、社会規模の全体最適化や大規模シミュレーションを通じた未来予測を実現します。
また、CFデータハブを通じて多数のノードの間の連携が加速され、複数のAIサービスを組み合わせながら新しいAIサービスを作るようなマッシュアップ型AIサービス開発も実現され、IOWNを基盤としたSmart World時代のソーシャル・キャピタルが形成されていきます。
また、これらを支えるコンピューティングインフラの超低消費電力化による持続可能な社会の実現にも貢献していきます。
NTT IOWN構想の実現に向けた技術開発ロードマップを引用
シグナルフリーモビリティ
・信号機のない街を自動運転車群が相互に通信をしながら自律走行。
衝突することなく輸送時間を短縮する未来のモビリティの姿。
シグナルフリーモビリティでは、車群から収集したデータをデジタルツインで解析し、衝突することなく輸送時間を短縮するための交通全体の最適状態(各車の速度や位置)を予測して制御します。このデジタルツイン上の状態予測系のモデル化、及びデータ駆動型でそのモデル学習する方式を確立することが研究課題のメインです。
NTT シグナルフリーモビリティ研究についてのリリースを引用
本研究では、図2に示すように、各車(ノード、黄色の頂点で表示)とそのつながり(エッジ、緑色の辺で表示)で構成されるグラフを用いて、デジタルツインの状態予測系をモデル化しました。時々刻々と変化する複雑な交通制御を単純な部品(各車の状態予測/制御と近接車間の通信)の組み合わせで表現することがその狙いです。
デジタルツインにおける状態予測演算
・デジタルによるサイバー空間にて、少し先の未来予測をして現実世界に情報をフィードバック。
次に、車の状態予測に関するデジタルツインの演算について説明します。図3に、実世界システムとデジタルツインが相互にフィードバックしながら、車群の最適状態(速度や位置)の予測と制御を時系列的に発展させるイメージが描かれています。
NTT シグナルフリーモビリティ研究についてのリリースを引用
状態予測に至るまでのデジタルツインの演算は複数ステップに分かれています。デジタルツイン上では、実世界で収集されたデータ(周囲状況を模した画像データ等)を蓄積し、一定以上の車間距離を保つように斥力を課すための情報を計算して近接車間の通信を介して交換されます。その情報を使って衝突せずに目的地点に近づくための各車の状態を予測します。
なお、この一連の処理(前向き伝播)は、各車で実施可能な分散型の演算と近接した車間の通信を繰り返すことで実施できるように設計されています。演算や通信といった処理が分散化されたネットワーク負荷の少ないIoT機器群の協調制御を体現しました。
さらに、状態予測系に含まれる学習可能なパラメータを最適化することで、平均速度を向上させるような効率的な交通制御モデルを学習できます(後向き伝播)。
エレベータの先回りは、他の実現できる事とくらべて些細な事に思うかもしれません。
予測技術の発展によるシグナルフリーモビリティの実現を段階的に想像させてくれます。
気になる人はNTTアーバンソリューションズ株式会社の動画を見てください。
未来の街づくりに期待してしまう内容です。
株について
長期的な視点で見れば、企業の価値があがりそうに見えます。
いつ価値があがるかは分かりません。
2024年6月時点では、国の資金作りの為の株式売却報道を受けて株価を下げてしまっています。
しかし上記で記述したように技術力もあり、高い収益力を維持している企業。
(決算情報を見ると、しっかりと稼ぐ力のある企業である事が分かります。)
現段階においても、チェックし続ける価値のある企業です。
ただし25分割した事で、知識不足の株主も増えてる可能性があります。
過剰反応しやすくなっている可能性もあるので、自分でよく調べたうえで検討してください。
資産に余裕がある人が長期前提で保有する判断もあるでしょう。
自分の資産を考えたうえで、計画的に資産を運用していきましょう。
株については、個人は波乗りで自己の利益の追求で良いと思っています。
機関投資家や大手投資家の資金があつまり、一般投資家も資金を投資していく流れ。
この流れで自分たちが望む未来を実現してくれる企業を応援していきましょう。
関連しているグロース株も調べていくと、資産を増やす事に繋がるかもしれません。
2024年時点 IOWNに関する情報
1ミリ秒以下の低遅延通信の実現
2024年4月12日の情報
イギリスおよびアメリカ国内においてNTTグループ保有のデータセンタ間をIOWN APN注1で接続する実証を行いました。本実証では約100km離れたデータセンタ間をIOWN APNで接続し、データセンタ間の通信を1ミリ秒以下の低遅延で実現しました。
NTT DATAのIOWN APN接続の実証実験リリースを引用
これは、同一のデータセンタと同等の統合ITインフラとして機能するものであり、分散型リアルタイムAI分析や金融分野への適用可能性を示すものです。
NTTとオリンパスによるクラウド内視鏡システム 共同実証実験を開始
2024年3月27日の情報
IOWN APN技術の高速低遅延を活かし内視鏡システムのクラウド化を実現
クラウド内視鏡システムはオリンパスの内視鏡に対する高度な技術を活用し、内視鏡装置内で処理されてきた映像処理を遠隔地に設置されたクラウド上で実施するものですが、従来のネットワーク技術では実現が困難でした。今回NTTのIOWN APN技術※1、2を活用することにより、クラウド上でのリアルタイム映像処理を実現します。本実証などを通じて、クラウド内視鏡システムのビジネス化にむけたリファレンスモデルを確立し、両社で内視鏡装置の処理性能の限界の克服やメンテナンス性の向上と同時に、柔軟で迅速な市場対応に貢献します。
NTT クラウド内視鏡システムのニュースリリースを引用
400Gbps/800Gbps IOWN APNをOFC2024で動態展示
2024年3月26日の情報
革新的データセンタエクスチェンジサービス実現に向け、IOWN Global Forum(※3)およびOpen ROADM MSA(※4)との連携により、マルチベンダでの400Gbps/800Gbps相互接続動作を実証
NTT 400Gbps/800Gbps IOWN APNをOFC2024で動態展示のリリースを引用
大容量サービスを低遅延、低消費電力で遠隔地まで提供できる光電融合デバイス技術、監視技術が実現され、サービス提供の効率が大幅に向上
インターネットやスマートフォンの普及に加え、AIを利用したサービスの台頭により、データセンタのコンピューティングリソース間の通信データ量、および通信設備の消費電力が急増しています。NTTグループは、このような通信量・消費電力の急激な増加に対処するため、光電融合技術(※5)を活用した低消費電力で大容量・低遅延の次世代インフラであるIOWN APN(All-Photonics Network)の実現と普及を進めています。また、都市部に集中していたデータセンタを電力やスペースの確保が容易な郊外へ分散配置する分散型データセンタの構築を計画しています。
世界初、12コア光ファイバーによる7,000km以上の長距離伝送実験に成功
2024年3月21日の情報
大洋横断級光海底ケーブルの大容量化に向けて前進
NTTとNEC 12コア光ファイバー実験に成功のリリースを引用
日本電気株式会社(本社:東京都港区、取締役 代表執行役社長 兼 CEO:森田隆之、以下 NEC)と日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田明、以下 NTT)は世界で初めて、標準的な外径(0.125mm)の光ファイバーに光信号の伝送路を12本設けた12コア結合型マルチコアファイバー(注1)を用いて、大洋横断級7,280kmの伝送実験に成功しました。本成果は、将来の光海底ケーブルをはじめとする大容量光ネットワークの実現に貢献する、次世代の伝送基盤技術として期待されます。
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